696キキキキ

696クロウサが綴る 696の世界

第 37 グァルディアンデルティソロ

「神様ってのは 居る

でも、それはみんなの知っているものではない…。」

 

 

『アレックスは旅立った。とても 勇敢に。

わたしの目の前で終わらせ、始めた…のだろう。

静かに 安らかに息を引き取って、異次元に向かった。直ぐそこにある、見えない所。

医師と看護師はもちろん何も気づいていない。

友達だというわたしに、お悔やみの姿勢をとるだけだ。

わたしは、何というか、呆然とするだけだった。

アレックスの亡骸を見つめて、悲しみも出来ず、何も分からず、なのに、涙は流れていた。

アレックスの頬も、濡れていた。』

 

身寄りの無いアレックスは、病院に移され、死亡を確認され、埋葬される。

 

『いってらっしゃい。

 

わたしは、日本へ 帰ろう。』

 

 

 

 

 

アルベリヒは、あるばからの連絡でアレックスの死を知った。

(間もなく生まれるのかなぁ アチラの次元に…)

 

あるばは、元気に帰って来た。

僕は何も出来なかったけれど、彼女の穏やかな笑顔を見て心から安心した。

 

(アレックス お前 上手くやった様だな。)

 

 

アルベリヒは、あるばとの再会に 明るく開放的な店を選んだ。

今まで行ったことの無い様な洒落た処で、少し気恥ずかしかった。

女性と待ち合わせ、エスコートするなんてのは、経験も無く苦手に思えた。

 

「神様ってのは 居る

でも、それはみんなの知っているものではない。」

 

アルベリヒは、リラックスしたあるばの自然さと、この度の大変な旅仕事に感謝しながらも、アレックスのこれまでの戦いを思い描きながら話し始めた。

 

「人間は、神さえも都合よくお飾りにする。

神様を偽造し 捏造して、商売道具にしてしまう。

それに比べれば、悪徳芸能プロダクションなんてカワイイものかもしれないね。

大衆は、マフィアも舌を巻いて逃げるくらいの非道に ”神様” を加担させる。

 

…少し、熱くなりすぎたかな。」

 

 

「あるば、今回の君の、ささやかで 個人的な行いこそ、神の仕業だよ。

 

僕は神様というものを個人的な支えの様に捉えている

宗教的な意味ではなく、ここ 日本の八百万の神々を祀る文化に近いけれど、それは、人それぞれ個々の魂に宿り、個々を導くものとして、尊べばと思う。

例えどんな神があったとしても、

人間の纏まった集団になると、その中から、その数の力を利用しようとする誰かの煩悩が暴走し始める。

始まりの一つには、正義の為にという欲求からの都合上の教義解釈が有るかもしれないけれど、自然というものの力は必ずバランスを取ろうとするから、そこには、カウンターな動きが生まれる。いわゆる、もう一つの正義。別名、悪の施し。」

 

 

『いわゆる、リーダー誕生って訳ね。ルールを作るリーダー達…か。』

 

 

「社会はルールで成り立つ。

そのルールは、破られる事で存在する。どちらが正しいかなんてのは 日々入れ替わる。

 

個のものには、個と個の二人の世界には、ルールは要らない。

”信頼” はルールではない。

欲求 や 施し でもない。」

 

「友情や恋愛は、欲求や施しの気持ちから始まるのかもしれないが、人間関係というものは、何も、友情や恋愛の様な絆を結ぶ必要は無いだろう?

 

相手を大切に思うなら、約束や礼儀よりも 一緒に居て 話せばいい。

相手を尊重出来ないなら、静かに 離れればいい。

僕は そう思うんだ。

 

あるば、君とは一緒に居ようと思う。

 

アレックスの友人として、君に感謝している。

僕は 君を守ることにした。」

 

 

 

『あなたは、そういう人だったわね。アルベリヒ。

わたしには分かる。

決して、口説かれているんじゃないって事もね。

あなたは、わたしの恋人に成りたい訳じゃなくて、そうね、守護神に成ってくれるのよね。素敵な神様ね…』

 

『いつか、わたしに恋人が出来て 家庭が出来て 子供が生まれ 年を取ってお祖母ちゃんになっても、何処からか見えない盾で守り賜うのよね。

あなたは きっと そういう人なんでしょうね。』

 

 

 

「僕は何も特別ではないよ

大切な人には、誰もが 今後の僕の様にするだろうさ。

奪いもせず 与えもしない

ただ、守るだけ。

例え他人には気付かれなくても、僕はそんな生き方をカッコイイと思うのさ。 

僕はアレックスに導かれて、自分を信じる事が出来ている。

そして、あるば、君も僕を導いてくれた。

 

いつか

僕に恋人が出来 家庭が出来 子供を授かっても、君達が教えてくれた事を忘れなければ、きっと平凡で素晴らしい日々を送れると、信じる。」

 

 

 

 

『そうね きっと。

 

愛情って きっと そういうものね。

 

アルベリヒ、あなたに会えて、本当に良かった。

 

アレックスも、今度は3人で会おう、って言ってたわ。』

 

 

「うん、僕も君に会えた事に感謝しているよ。あるば。

アレックスとも また会えるね きっと。」

 

 

 

 

 夜になり 外に置かれたテーブル席からは、小さな星々の瞬きが見えた。

 

 

『ところで、アルベリヒ わたしたち、明日も会えないかしら。

…そうね、あなたの下手な歌を聴かせて欲しいし、もっと話がしたいし、あなたの名前の意味も まだ訊けてないもん。』

 

「えっ アレックスにも⁉ 君にはもぅヤツから…」

 

『ふぅ… いえ、わたしにも まだアレックスからは何も届いてないわよ。

アルベリヒ、…恋愛は 欲求から始まるとかどうとかって、あなた言ってたじゃない。

神とかルールについては自分で考えなきゃいけない。でも、概念的に相手を大切に思い始めるってのと、恋するって事の差を、冷静に分析なんてしたくないわ。

わたしも、素敵な神様になれるかもしれないし…』

 

 

 

「そうだね… そうしよう。 僕の歌は酷いもんだから、期待しておいてね。

僕の名前の意味は、明日 教えるよ。

君を守ると決めたからね。

 

じゃあ、また明日。」

 

 

 

『うん、明日ね。

 

ありがとう。』

 

 

 

 

 

 

 

シャッツウェヒター

第 36 べれいつぇいつ

人間は 増えていない

人口は 増え  社会は発展し寿命は延びているが。

 

暴力は 増えていない

テロは 増え  差別の派閥は大きくなっているが。

 

 

この豊かさに期待し、その文明があるにも関わらず不幸が減った様に思えないだけだ。

いくら豊かになろうが、どれだけチャンスがあろうが、周りを羨み蔑むだけでは資源も科学も役には立たない。

 

 

 

心ある人々は 心ある愚かな人々は 確かに増えている。

心あるがばかりに 人間に追われ 人間に疎まれ 人間に去られ 人間では無くなる

死んでしまうのではない 存在が消えるのでもない  虚しくなく 空しくなるのだ。

 

 

 

人間らしい欲望を持てない者は

別の次元に誘われる

その者の精神を光にした 闇の住人になる

美しい心を持った者の 成れの果てだ。

 

 

 

私達の様な道を好んだ者は、誰かに認められる事を諦めなくてはならない。

 

もし、一人でも、この手をとってくれる人が居たなら、

それは

奇跡だ。

それが 幸か 不幸かは 分からないが。

 

 

 

不思議な者を理解する人間は、光と影の狭間で迷う事だろう。

努力 や 成果 や 正義 や 社会 という物差しを持たされ

その目盛りが記し その基準が表す模範的な立ち位置を揺さぶる魂を見るから。

 

 

 

みんな我慢している

みんな嘘をついている

誰かの為に

自分の為に

 

 

本音は猛毒の劇薬

正直さは災害の如き爆薬

誰もが気遣いの言葉で触れ合い

誰もが孤独を仕舞い込む

 

 

なぜ 優しい言葉を掛けるのか

なぜ 辛い役目を背負うのか

結局自分

結果自分

 

 

分かりやすさが価値を持つ

分かりやすく出来なければ無能なのと同じ

独自の見解は必要とされない

責任の所在をうやむやにしておくべきらしい

 

 

バカは走る 素敵なズル休み という冒険に出る

グリーンダイナソー 顔の煤けた美脚ドール ホワイトベアー あと…

 

あぁ チャンポン食べたか。 トマトゥンスープ もぅ一回飲んどきゃよかった。

周りには(貰った)なんて意味の無い嘘ついて自分で買った服も、もう着れない… 

そういえば、今までプレゼントくれる人なんか居た事なかったな。

 

 

最後まで出来損ないのままだったけれど、これからもそうだけども

一旦 白紙に戻して 

ゴメイサン とはいかなくとも…。

  

 

 

有り難う

 

君に会えなければ こんなに素敵なこの時 を迎えられなかっただろうな。

 

あるばさん 俺のヤリ方を理解してくれたのは 生涯で 君とアルベリヒの二人だけだ。

そして、

俺の終わりと始まりを見届けてくれるのは君一人だ。

 

そう、誰かが心からの理解を示してくれなければ 俺は ただ終わるだけだった。

狼狽える事無く

諦める事無く

俺の魂に話しかけ続けてくれた君が 奇跡をもたらしてくれた。

 

あの日 空港で会って 間も無く動けなくなった俺に

君の全てを話してくれた

恥ずかしいことも

勇ましいことも

悲しいことも

口惜しいことも

おバカなトコも。

 

 

俺だけの痛みを 一緒に味わってくれた

一緒に泣いて 慰めて 笑い飛ばして 手を握ってくれた。

 

 

女の子の手を感じたのは初めてだった

握り返しは出来なかったけれど

嬉しくて 涙を流してしまった 

でも、君に恋しては アチラの世界で恋人が作れないから 我慢我慢。最後の我慢。

 

 

さぁ こうして この世界との この次元との狭間から君に言葉を送るのも限界らしい。

無事にアチラの次元に着けば また君にもアルベリヒにも会えるからね

じゃあ しばしお別れ。

 

 

 

君は 素敵な人だ

とても普通で もちろん特別で コチラに必要な人だ

 

 

あぁ アイツに感謝を伝えたい…

今度は アルベリヒと3人で話をしよう 

お酒なんか飲んだりしてね

君のお薦めの柿ピーってヤツを食べてみたいよ

 

じゃぁね

 

 

物心ついた時には独りだったから 寂しさなんてのはよく分からない

施設の大人にも色んな人間がいたけれど、孤独を教えてくれる人は居なかった。

13歳で逃げ出して

年を偽って仕事して

世間が見えてきた頃に 世間とサヨナラする自分を知った

 

狭い住まいの 小さなベッドに横たわり 

出会ったばかりの人に見守られながら旅支度をする気恥ずかしい数日間。

 

 

今まで 傷つけてしまった人たちへ ごめんなさい

そのぶん… なんていうと怒られそうだけど… 何が出来るかわからないけど、

こんな自分の次の巻、向こうの世界で 誰かと…。

 

 

 

いよいよ出発の時

 

見送られるってのは とても気持ち好いものなんだな

 

じゃぁ行くばい

 

おやすみ なさい

 

 

いや、

 

 

 

いってきます。 

 

 

 

 

 

 

 

とつぃんつ

 

第 35 あーりちゅーどぅ

光速  世紀  100  ランドルト環  創造  接続  変化  会話  協力…

C= 光速を表す定数 century ローマ数字 C creation connection change conversetion cooperation…

む~ぅ。。

 

炭素 2000万以上の化合物を…

6= 元素記号 もしくは…

 

重力  質量  自由エネルギー  リー環

G= gravity gramme Gibbs energy リー代数

 

without  笑  wide  wonder  wild

W= ?

う~ん コレは安直かぁ。。。

 

 

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バレンティナはネット検索を…   無意味な思惑は花咲き散りゆく…

 

 

 

父 デラバンを誰より尊敬し信じている。

祖父の2人からも色々な事態を聴かせてもらった。

ジョナイドの作戦スクソンも功を奏しているっぽい。

家族の行動に疑念を挟んでいるのではない。。

でも、何故だか 何かが引っかかる。

 

意味 意義、その動機その責任、それが何処に向かうのか。。。

 

(ミカエル c6gw 白いクマ 黒いうさぎ 盾 異次元…)

 

 

『女の勘ね』と母ハヤは微笑む。

いつの間にか、母と祖母が横に立って居た。

ベルナお祖母ちゃんは、迷うわたしに、『勇敢に立ち向かう というのがバレンティナ あんたの名前の持つ意味だよ』とホッペを手のひらで摩ってくれた。

朝だ、学校へいかなくちゃ… 眠い。。 

 

 

次の夜も バレンティナは寝床で独りなると、眠気が来るまで…と 思考を巡らせ始めた。

(夜)は彼女の味方だった。

暗く 静かな空間と時間が、バレンティナの感覚に何かを伝え始める。

 

 

インターネットで調べてもしょうがない。

そこには、アリモノの情報が有るだけだから。アリモノでは父や祖父に聞くところの(異次元)には立ち向かえない。

 

「c6gw… きっと 暗号とかではないだろうな」と呟くと、またも母と祖母はバレンティナの両脇に立ち、『楽しそうね』と思考遊びに参加してくれた。

 

 3人で朝まで楽しく論を尽くした。「また寝不足で学校かぁ…」

母と祖母はそれぞれ鋭い視点を披露してくれたが、やはり(論より感覚)という事で、結局、あの人にインタビューすることにした。

 

  

直ぐにミカエルさんは来てくれた。

 

バレンティナは単刀直入に訊いた。

「あなたは 何をしようとしているのですか?」

ミカエルも即答した

『ゲームさ。私は、誰にでもできる仕事を私にしかできない方法で楽しんでるんだ。勿論、多くの人の手をお借りしている。そして、君の訊きたい事は(それで何を為そうとしてるのか)という事だろうけど、私は神じゃないからね、私の目の前の私の思い付きを全力で楽しんでいるとしか言えないのさ。』

「そうですか、そうですよね。。言葉で その物語を聴かせてもらわなければ分からないのであれば、あなたの本心など理解しようがないですよね」

 

ミカエルは少し驚きながらバレンティナを見つめる。

 

『君は… いや、すごいなぁ。。 私の意地悪にもなりそうな応えから、即座に 敬意ともいえる尊重に辿り着くなんて。。。 謙虚というか。。』

 

バレンティナは急に恥ずかしい気持になりながらも、正直に応えた。

「いえ、わたしは単に 憶測で人を見るのは良くないと思っているだけです。思い込みは他人を意味なく値踏みしてしまうし、自分を自分で騙してしまうからです。

それよりは、わたしの問いかけに応えて下さるあなたの目や声が 真実よりも強い感覚でわたしの心に何かを置いてゆくから。。」

 

『そうか… なるほど… 

うん、参りました! バレンティナさん 会えてよかった。

君との出会いこそが 私の 自信になりましたよ。

ある意味、私の目的は、君の様な人物になるべく多く出会って、心を通わせ お互いの大切に思う事を進めていくという単純なものなのかもしれないな。。』

 

 

後日、アントニオおじいちゃんと

カワおじいちゃんに聞いた。

 

ミカエルさんは 自分の為せることを為すために 為したいことを楽しむ為に

財産も 権力も 名誉も 身体も 存在も失って…

とはいえ この場合の”失う”は、低い次元での話し。。なんだろう。

あ、そして 自転車には乗っているそうだ。自転車で世界を股に掛けているのだ。

 

おじいちゃん二人も、ミカエルさんの遊びに参加して 結構楽しんでいるらしい。

 

 

C6gw という盾

暗黒で 絶対で 何処にでもある 反物質 全てをゼロにし 全てを生み出す底。。

わたしは C6gwを その様に捉えることにした。独自に。

 

  

あの日、ミカエルさんは色々な事を話してくれた。自分の事以外。

異次元の事も軽快に語ってくれた。

若くして人生を終え、無いはずのその後を嬉々として人に尽くす天使たちがいるそうだ。ミカエルさんは(天国シスターズ)と呼んで誇らし気だった。

 

大切な人達を残し、冥界から手を差し伸べて人々を危機から護る神の様な人々も多くいるという。。

 

 

「何も知らないわたしたち

 

何も感じられなかったわたし。。」

 

反物質… 知らず見えないもの それは何だろう」

正解などないだろうけれど、わたしはそれを 感謝 と仮定しよう。

 

 

バレンティナが思考の末に見たものは、

彼ら 彼女らの 覚悟 の様な空気の様な雲の様な クラゲにも似て 水の如しで 

心構えとも言えるし、いや 言葉でなど言い表せるはずのない 精神と行いだった。

 

バレンティナは 彼ら 彼女らの覚悟の存在を心から信じた。

疑いを超えた部分で共感したという事だ。

信じるというのは、バレンティナにとってみても”覚悟”に他ならない悟り。

願ったり頼ったりするのとはまるで別の、とても主体的な決心なのだ。

 

 

 

 

バレンティナは、ミカエルさんと話した翌日 母と祖母に自分の気づきを語った。

 

ハヤとベルナは、彼女の肩を抱き『楽しかったみたいね』と言った。

『あなたの思慮や洞察力は、いつも他人への敬意が光になって、深く富んでいくのでしょうね』

 

デラバン家には(否定)が無い。 家族にも他人にも 敬いと思い遣りの包容があるだけだ。

 

 

 

わたしの決心 わたしがした 覚悟

 

ンギャリアのみんな 会えなくなったみんな

 

やさしいみんな 

 

憎み 憎まれ  殺し 殺された 多くの人々

 

そんなみんなが生んだ 業 を 背負い 

 

父さんが始めたゲームを楽しむ。。 

 

わたしは そういう覚悟をしましょう。

 

それが出来ないなら 人間である必要なんて なにも無いんだから。

 

 

 

「ってか! また朝じゃん!! 遅刻じゃん!!!」

 

いや 今日からバレンティナは

 

春休み。

 

 

 

 

 

 

 

たぁはぶ

第 34 アっさリガトゥ

アルベリヒもこの街に居た

偶然 居た。

 

 

彼は仕事を磨く遠征を経て 巡る思考を平凡な日々の経験に結び付ける旅に移り

色んな場所であらゆるものに触れ

自分を見い出しては見失い また気づきを見つける毎日。

他人を感じ 出会い別れ、一喜一憂を繰り返し あれこれ 腑に落ちる事も増えた。

 

 

寂しさはあるけれど 馴染めない輪に加わる苦痛よりは孤独を選んでしまう。

長いこと 一人でいるしかなかった 誰かといても 独りだった。

それでも、これまでの毎日は 多くの示唆を与えてくれた

自分の愚かさはもとより 社会の 世界の 宇宙の 不安定さと摂理を仄めかす。

 

 

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一般的に言えば 僕の性格は(付き合いにくい)のだろう。

「アルベリヒ、君は 何を考えているのか分からない」と心外な意見も何度か…

思想 情緒、交友 気遣い、色彩や造形や味覚や聞く音楽などの単なる『好み』も、(変)らしい。

 

 

 

母国での修行の旅を終え 浮かんだ多くの疑問を晴らす放浪に出て 様々な国を巡っていた頃、

いつもの様に 自作の変な歌を歌っていると声を掛けられた 

オランダで友人になったアレックスに勝るとも劣らない…と思うほどの男前。

背は高いが腰の低い、丁寧な話し方をする男だった。

因みに僕は背も低いし腰も低い。話し方は… ぶっきら棒 らしい。

 

その彼は「ハロー イッヒ ビン ミヒャエル」と名乗った。

僕がドイツ語で歌っていたからだろう。

僕が自作の歌を歌う理由は、自ら作って歌うという行為が 縺れそうになる意識をシンプルにしてくれるからだ。

だから 母国語… 要は 僕には聞く人へのサービス精神が欠けているという事だろう。

 

そのミヒャエルと気を失うまで話した。。

 

とはいえ お互いの話しがとても面白くて、公園から食堂、バーから港のベンチ、そして気付けばまた公園で…目が覚めた というだけの事だ。

 

 

ミヒャエルは仕事をくれた

オランダで仲良くなったアレックスの話しをすると 深く考え込んだ後、「私の仕事を手伝ってもらえませんか?」と言った。

それで、日本に来た。

 

 

日本では、あるばというキレイな女の子と知り合った。

彼女も とても珍しく意気投合できる人だった。

僕は アレックスの力になってくれる人を見つけた気がしたので、彼女に彼を紹介した。

心根に共感したアレックスの力になりたいと思っていたのだけれど、どうしたらいいのかさっぱり分からず、毎日数回思い出しては う~んと唸るだけの情けない日々だったのだ。

あるばも是非彼に会いたいと言った。

 

彼女は、ずっと平凡に生きて来たらしい。

そして、僕が話した(もぅ平凡に生きられない平凡な男アレックス)の生き様に興味を持った。

 

きっと、彼女は 僕より上手く彼の計画のお手伝いをしてくれるだろう。

 

 

 

孤独な旅で アレックスに会い ミヒャエルに会い あるばに会って 道を見つけた。

疑いの旅を終えることにした。

 

 

 

以前 大工の修行中、物理の本も読んでみた事がある。

もちろん専門的なものではなく、素人にも分かりやすい記述で、学者達の挑戦を通して見てみると、自分の日常世界に感じる多くの(不思議や当たり前)の成り立ちの訳を紐解ける様な気がしたものだった。(魂や引力…みたいな事)の存在理由だ。

材木の加工や組み立てよりも、そちらに惹きつけられていった。

  

その記憶が あの3人との出会いで蘇った。

 

「変だなぁ 面白いなぁ」と思っていた事が ストンと腑に落ちたのだ。

 

例えば、

歴史に名を刻む学者達の(自ら挑み、破れた事で、その後の逆転を成し得た)という、よく聞く前進する為に必要だった失敗のエピソード。。

理論物理学は そのプロセスが(他の挑戦より)僕には想像し易かった。

複雑難解に見えるが、理論という至極シンプルな証明のみでの攻防だからだ。

 

功績の直前まで、新しい仮説は それまであった理論を汚す裏切り者の様に扱われながらも、証明が叶えばその直後からは(標準)という『当たり前』の理論になるのだ。

手のひらを反す仮説の流行は、大衆の根拠なき移り気となんら変わらない。

 

あの3人は 手のひらで動いてはいない。

 

 

技術 知識 考察 構築 進歩 継続 英断

これらの為すものに 意味を見い出そうとして 僕は 挫け 破れた。

けれど、今も逆転は出来ていない。

 

あの3人は 意味など求めていない。

 

 

 

そういえば、こんな話も読んだ… ざっくり ウケウリしよう。

 

 

或る究極の謎を追及していた天才科学者は世界大戦の最中、連合軍兵器開発の責任者になり、核爆弾を開発し核の父と呼ばれた。

 

その核は日本に落とされた。

 

その壮絶極まる惨劇の事実を目の当たりにして 激しく悔いた彼は、戦後の自由な身にもかかわらず 人生を掛けていた研究を止めてしまった。

 

戦後、彼の元に 日本の科学者から手紙が届いた。

「実は、あなたが追っていた謎を 戦争中に解明していたのだが…」という。

その後、彼(核の父)の導きで理論は証明され 日本人科学者はノーベル賞を受賞した。

敵国を排除しようとした天才が解けなかった謎を解いたのは、

その天才が作った兵器で敗戦した国の学者…

皮肉にも、用いたのは(繰り込みの手法)という計算方法だった。

それは、排除されようとしていたデータを繰り込む事で導き出された数式だった。

核の父は、学問を愛し その力で社会に貢献しようとし 敵を排除した、 優れて愚かで純粋な『人間』だったのだろう。

 

 

物理の見せる法則は 知れば知るほど人間社会の謎にも当てはまるから面白い。

自然の在り方

宇宙の成り立ち

そうして考えてみて ふとよぎるものがあった。

電子 ニュートリノ クオーク ヒッグス などがこの世を作る素の粒子ならば、

僕らが持つ『思い遣り』という意識もまた 素粒子を安定させ構成させる為に必要な質量という重さなのではないか。。なんていうファンタジーを思い描くのも楽しい。

 

 

大工に成れず なんにも成れていない自称音楽家がこんな妄言をするから、友達など変人ばかりなはずだ。

 

 

 

さて この街に来た。

僕が 僕であったが故の偶然がもたらした 今。

何がどうあれ、下手な歌を垂れ流すよりは役に立つ事ができるかもしれない。

ここに居るこの偶然も、理論物理学なら数式化出来るのかなぁ。。

 

弦理論 膜宇宙 多元宇宙… 11次元 26次元 いや 無数の次元が…。

僕達が意識できるのは空間の3次元と時間を合わせた4次元まで。

しかし、それ以外の次元が在るというのが物理学では常識になっていて、今では何十もの次元が理論上当たり前の存在になっているそうだ。

 

概念を突き詰め 概念を突き抜け 対称性を追求し 多様性に辿り着く証明

 

問題を解いた瞬間に現れる新たな問題 答えを求めれば問いが生まれる背理 

 

思い込みや決めつけが阻んできた進歩 ゼロの闇が生んだ逆転の発見

 

CERNというたった6000億円の装置が見せた 新しい素粒子 宇宙の素

 

証明がもたらすものと非証明がもたらすものは等しく宇宙を構成している

 

 

…だったら 異次元が救うものもあるだろう。。

 

 

 

いやいや 僕がこんな”勘”物理学を思考するのはただの遊びに過ぎないけれど、

ミヒャエルが知り、アレックスが挑もうとしている事実が、僕に異次元を想像させてくれた。

僕の勘が、その異なる存在を肯定していた。

まぁ 見えなくても「意識から排除すべきではない」程度の感覚だけれど。

物理的に、「何かを犠牲にするのでないなら その努めを楽しもう」位の認識だけど。

 

まぁ ミヒャエルは気前が良くて僕の生活を助けてくれるしさ。。

 

 

 

天国シスターズ。。

 

異次元の天使たち。。

あ、アレックス…またモテるんだろうな 今度は頑なに冷たい男を演じる必要も無いし。  

 

 

 

この街で行われた大会も無事終った

風の強い港町に集まったVIPさん達は 皆 静かに解散していった

 

実際、天使達自作の歌は 大役を果たしたという。 

 

僕の下手な歌も ミヒャエルと その後の出会いにはアシストしたけど、天使たちのサービス精神はさぞかし素晴らしかったのだろう。。。

 

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会場を閉じ 

アルベリヒは 次なる偶然の場所へ

 

独りで。 

 

 

 

 

 

496

第 33 ありガまんセェ

危機が迫ってる…   直ぐそばに…

 

 

いつもの夢の中で 誰かが呟いた

 

「ジョナイド?。。」

 

 

 

(会おう)と日本語で書かれたジョナイドからの手紙がその日のうちに届いた。

 『ヤマグチだよ  シモノセキという駅で…』と。

 

お父さんとお母さんにもジョナイドのご両親から手紙が来ていた。

 

少し不安にもなったけど、いつかジョナイドの為に何かがしたいと願っていたから、ジョナイド一家に会えるのももちろん嬉しいし、それとは別に「いよいよ…」と、不思議な期待が身体に満ちて来る様な気分になった。

 

来月、何かの大きな会議が開かれるという事で、そのお手伝いをするのだそうだ。

色んな国から偉い人達が来て この国の偉い人達が集まって。。みたいな。

あたしの様な子供に何が出来るのかは分からないけれど、お父さんとお母さんはヤル気満々みたいだし、少しでもジョナイド家族のお手伝いが出来る様に頑張ろうと思った。

 

 

これまでずっと、何をすればいいのか分からないまま 両親の優しさに浮かんでる感じの 平和で幸せで 少し申し訳なく感じる毎日だった。

前髪を自分で短くして「お前はだれだぁ?」と鏡に言ってみても変身は出来ないし 誰の役にも立たない。

でも、わざと変なジーパンを自作したり、自分の焼いたお好み焼きをTシャツにプリントして着たり、承知の寝ぐせで出かけたくせに 笑われて「せっかく好い夢見たんだから寝ぐせもそのままにしとかないと…」などと意味のない言い訳をし(真弥ちゃんはこんな無精じゃないよな。。)と反省したりしながら、何かをする為の心の準備に励んではいた というか、取り繕っていた。

 

あたしは、真弥ちゃんの事を気にするのは苦じゃない。

むしろ、姉妹みたいに想像を膨らませて勝手に親近感を抱いている。

あたしと真弥ちゃんの関係は第4話を参照してください。

 

自分の今の立場も、きっと意味があるんだろう なんて思ってみたり

いや 意味も価値もなくても この場所にいるんだからそれでいい と考えたり。。

そうしながらも、

いつも 真弥ちゃんの空気を感じている きっとお父さんお母さんもそれを感じている

そして、

お父さんとお母さんの放つ優しい空気も 真弥ちゃんと二人で分け合いたいと思っている。

 

 

何も持たずにこの国へ来て

沢山のものを与えてもらった

あたしに出来る事などまだなにも無いけれど

あたしのする事など誰にも届かないかもしれないけれど

お父さんとお母さんを守ろう

ジョナイドの家族を守ろう

真弥ちゃん あたしにチカラをください。

 

危機が迫っているから。。

危機が直ぐそこにあるなら。。 あたしはみんなを守りたい。みんなの盾でいいから。

真弥ちゃんは あたしにして欲しい事ないかなぁ。 盾はいらないだろうけど。

 

 

 

 

わぁ 港の街なんだ。

海の見えるシモノセキ駅に着いた時、なぜだか 身体が宙に浮くほど安心感が湧いた

風の強い街だけど 何かが守ってくれている様な気配がした いや、その風さえも あたしの味方の様に身体を包んだ。

 

 

駅のロータリーにジョナイドは居た

彼の家族も揃っていた ジョナイドの家族みんなに抱きしめられて泣きそうになったから笑って誤魔化した。

お父さんとお母さんもみんなとハグしていた 抱きしめられていたジョナイドもはにかんでいた。

「元気だった?」ジョナイドにはそれしか言えなかったけど、彼も『ああ』とだけ答えて照れ笑いしてくれた。

 

 

もう一組、知らないご夫婦と挨拶を交わす大人達。

韓国から来た人たちで、あたし達と一緒のチームでお仕事するらしい。

 

 

駅から徒歩数分で会場に着いた。

 

あたし達の仕事… は、

 

お う え ん?  応援?!…   誰の??。。

 

 

 

具体的 な指示は何も無く、

この街に来て

この会場に居て

多くの人達と一緒に

話しを聴き 

素直に

全てを

感じる事。。 

 

うん ぜんぜんわかんなかったけど、

静まり返った会場で

時折り聞こえるオナラ(たぶんジョナイドの…)には 懐かしさを感じてしまった。

あたしとジョナイドのオナラに関するエピソードは第3話を参照ください。

 

 

 

お父さんとお母さん そして、韓国から来たご夫婦には こんな手紙が届いたそうだ。

 

「ご無沙汰しております ミカエルです(中略)

以前お話しさせて戴いた様に(中略)

異次元の娘さんからのメールには とても驚かれたでしょうね(中略)

今回もまた 真弥さんとソルルさんはとても大切な役割を担っておられます(中略)

是非 ご両親の応援をお願いしたく。。。」ま、だいたいのイメージだけど…。

 

ジョナイドの家族も 真弥ちゃんとソルルさんの応援に… そして何より、あたしへの応援も必要だという考えで来てくれたのだと ミカエルさんに聞いた。

 

 

真弥ちゃんとソルルさんは 応援部隊の計画を聞いた時、ミカエルさんに飛びつかんばかりの喜び様だったという。

『二人は 自分を認識できない家族の皆に向かって深くお辞儀をし、ニコッと笑って アスリートの様に拳で胸をポンポンと叩き、会場に赴いたんだよ』とミカエルさんは言う。

 

ミカエルさんには何故二人が見えるのかと訊いたが、「 君にもいつかきっと見えるよ」と優しく意地悪に応えてくれただけだった。

 

 

 

講演が始まり、話しを聴きながらも 何かを察知しようと 目を閉じたりキョロつかせたりしているうちに、会場の空気が変わっていくのを感じた。

(見えない二人)は 会場の人々を護るために、歌を歌うのだそうだ。

あたしも 歌う2人を想像して胸がいっぱいになったから手を胸に当てて祈った。

応援部隊の皆と一緒に祈った。

 

応援し 応援される…  応援のチカラってなんだろう。。

見守り 見守られる…  祈りの心がもたらすもの。。

 

「真弥ちゃん ソルルさん 頑張ってね ずっと応援してるから いつか 会おうね」そんな事を想いながら心を解き放った。

 

お父さん お母さん ジョナイド ジョナイドのおじさん おばさん おじいちゃん おばあちゃん おねえさん 有り難う

 

ミカエルさん 会場の皆さん 有り難うございます

 

…さっきから感謝しか出来てないねw これじゃーまるで感謝の国の王女様じゃんかー って何ちょーしコイてんだあたしーΣ(゚∀゚ノ)ノキャー。。。

でも、まぁ 感謝ばっかりってのも それはそれで有り難いこと で、嬉しいことかな…

嬉しいことばっかり… か。。 

 

 

あ!。。。

 

あの夢が告げていた危機は、 ただの 聞き違い の 危機違い で、 

 

嬉々w だったのかもしれないなぁ。

 

 

今まで 誰かの役に立ててない… と 自分を情けなく思ったりしてたけど、

それじゃぁ余りにもエゴイスティックだよね エゴイスティックグラマーだよウフ…(;'ⅴ')

有り難さ 嬉しさを卑下するなんて そんな恩知らずな事は無いな。。

 

そんな感覚こそ 

 

 

危機だよ…。

 

 

 

 

講演会は 無事 幕を閉じた。

 

あたしに何が出来たのか そんな事は考えない様にした。

ジョナイドのオナラの様に 全ては何かの役に立つのだろう。

 

って事で

 

今の全てに、エゴイスティックペチャマーに、

 

 

 

 

 

 

 かんしゃだなぁ

第 32 てちゅんねよ

「ソルル。。 あなた、プリン2つ食べたでしょ。」

『うん! マシッソヨだったよ°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°』

「だったよ°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖° って… わたしのプリンは。。」

『ハッ!Σ(゚д゚lll)ガーン ゴメーン!ミカエル氏に頼んで早速ご用意いたします!!_(._.)_』

「他力本願過ぎ。。 まぁ良いけど 頑張って仕事したんだからさぁ二人でさぁ~…」

『エクレア食べてよエクレア! 真弥ちゃんエクレア好きだったじゃん! ミカエル氏に真弥ちゃんの職後のデザートとして頼んでおいたんだよ~』

「え? そうなの? 2つずつあったから プリンとエクレアを1つずつ食べるんだと思ってた~ ごめーん 勘違いだったのね~(;'∀')人 ソルルちゃんがわたしの好みをちゃんと注文してくれてたなんて嬉しい~(´;ω;`)」

『いえいえ 分かってくれたなら良いのよ~(*´∀`*)あのエクレアも美味しかったから是非たべてみてね~』

「ハッ!Σ(゚д゚lll)ドーン エクレア… 1個しかねーって事じゃんかヨォ‼ 。。(# ゚Д゚)コロス…」

 

 

 

 今回の大仕事の前に 天国シスターズの二人は目の前の好物(カツ丼)を忘れるほど真剣に話し合った。

多くの人々が集う 広い会場で、どの様にすれば 人それぞれに尻込み 逡巡し たゆたう気持ちをたわやかにたおやかに優しく鎮められるだろうか…と。

 

当然、いくら考えても答えなど出ないのだから、二人で歌を作って『歌っちゃう⁈』ことにした。

ソルルの発案だった。

歌詞は二人が適当に紙に書いたバカみたいにベタな想いの言葉を並べた。

最初、お互いに恥ずかしくなるほど純粋な気持ちを持ち寄って

例えば、『いきなり幸せって言葉を持って来ようよ!あえてだよアエテ!』という風にソルルが言えば、「それいいね!幸せなんて言葉 死後のわたし達にさえ死語みたいな恥ずかしい言葉だから、逆にそんなものにおもねらずにその先に行っちゃおうみたいな詞にすれば(幸せ)って言葉の意味も軽快に優しくなるかもね~」と真弥が重ねる。

『私の好きなユエの曲も 歌詞なんてベッタベタな作文みたいなものだけど、何度も聴いてると歌の物語に入り込んじゃうのか 何故かどの歌も好きになってくるんだよね~』

「それ、単純接触効果ってやつじゃないの?w ソルルって純粋で良い子だもんなぁ。。」

 

歌詞は案外すんなり出来上がった。  

なかなか好い詞になったので、冷えたカツ丼も美味しかった。

 

 

 

世界連邦平和協議会発足記念シンポジウムの会場

最初は手をつなぎ それから両端に別れ それから各席を回り たまに立ち止まり

彼女達は 歌い続けた。 

何時間も 何百回も。。誰にも聞こえないけれど 皆の身体を包む温かい空気の様に。。

 

 

 

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幸せに向かって 幸せの向こうへ

足がすくんでも 闇に包まれた時でも

立ち止まる弱さにも何かが 目を閉じたとしても見えるはずさ

全てはここにある 全てはそこにも広がる

 

何処を見ているの 何を追いかけるの

心は知ってる 自分を捜して 見つけて 晒して

 

おにぎりをありがとう 君の手のひら

温かくしていてね バカ話を聴かせて

幸せはそこから 幸せはここから

君の見える場所に 君が見せる場所へ

 

 

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 会場に渦巻く 多くの やましい魂は なよらかに静まり どうしようもなく救われた。

 なぜ泣いているのか分からず首をかしげ はにかみ 微笑む人さえ居た。

 

 

 

 

「ねぇ ソルル。。 わたし達って…  歌うの  すごく下手だったね(;'∀')」

『うん! ミアネヨ~だったね 後半二人とも泣きながら歌っちゃってたからね。。』

「ミカエルさん、よくこんな提案にOKくれたよね?なんでだろうな…」

『私が 真弥ちゃんは歌上手いんですよ~って言ったからかなぁ。。』

「ゲゲゲっ! なんでそんなウソ言ったのー⁉サイアクーΣ(゚д゚lll)ズーン」

『嘘じゃないよ 真弥ちゃんの鼻歌毎日聴いてて 好いな~って思ってたもん。だから、この作戦思いついたんだもん。真弥ちゃんの声って とっても癒されるのよ~』

「ほ ほんと? わたしの声って。。 そうなの かなぁ…(n*´ω`*n)ありがとうソルル…」

『いえいえ 本当の事だからお礼なんていいのよ。今まで何度も 真弥ちゃんの独特なメロディについつい吹き出しちゃって滅入ってた気持ちを元気づけてくれたんだもんw

はい エクレアどーぞ(∩´∀`)∩』

「ぐぐッ。。  このド天然幸せの向こう少女ガ…  (# ゚Д゚)ロコス…」

 

 

 

 

 

 

くれぴょなげ

第 31 タエガトゥシタ

(理不尽さが何より憎かったのは、自分の弱さへの嫌悪が歪み現した姿だろう。

故に 理を通してゆける力を身につけるために生きて来た。

さながら、挑戦の意義を失ってしまった冒険者の様に。)

 

 

”世界連邦平和協議会発足記念シンポジウム会場での基調講演会も終盤を迎えていた”

”司会に紹介されたジャミールは、国旗と聴衆に向けて深くこうべを垂れ 登壇した”

 

 

皆さん

私は神を信じられずに生きておりますが、

本日 この場に於いて 懺悔をさせて戴きます。

懺悔という言葉の意味さえよく知らない愚か者なのですが。。

 

この講演会の初めに 我が友 ラッキーがお話した事柄について、どれほどの理解が得られたのかは知る由もありません。

多くの方が、今日ではなくとも 徐々に 言葉の一つ一つに お話の行間に 何かを発見し明らかにして戴ける事を願いつつ、弁舌奉ります。

 

私は 私の影響による暴力が何十万何百万の人々を苦しめた事を一瞬も悔いずに生きてきました。

私の中に確固とした信念が有り、それを拠り所にあらゆる努力を惜しまず その結果を見据えて参りました。

そう、数千万 数億の人々を救ってきた などと思い上がっていたのです。

確かに 平和の名のもとに 戦ってはいましたが、戦場という場所には 正も悪の無く、ヤルかヤラレるかの殺し合いしかなく、ロビーボノジュレの様な有力軍需産業と各界の頭脳と技術を結集した強大で圧倒的な質と量の最先端兵器をもってしても 理を通すことは不可能だったのです。

 

 

ラッキーに習い、ざっくばらんに話しましょう。

 

私は 世の中を”きちん”としたくて力をつけました。

しかし、その方法も その理想形も 甚だ間違っていた。

多くを排除し 力のルールで抑えつける 何千年も続く人類のハムスターホイール。。

フム コレは 笑えませんな。

 

力でなければ 暴力は抑えられない というパラダイムで 警察も軍も存在します。

 

その支配的な認識を変える。。

 

資本や武力や情報や権威など、今までの認識では辿り着けない”笑える場所”へ…と。

 

 

一つ、サゼッションを差し込みましょう。

 

人間は 意識的に裏切る生き物です

裏切りという行為は3大欲求にも影響する、生活に必要な刺激でもある と言えるでしょう。

他人を裏切った事など無いと本気で言い切る者は お話にならない只の正義の味方です。

それほど、寝返りが日常的で平凡な相互的交信なのは まぁ 皆さんお分かりでしょう。 

しかし、人は裏切りを必要以上に忌み嫌います。

自分の信じる正義が損なわれるのを放置できません。

正義への裏切りを恐れ、可愛い我が子へ 暴力…もしくは愛の鞭 を使うという図式は一般的な家庭の育児にも見られるものです。

その正義は甚だ自分勝手な思い込みに過ぎないのですが…。

 

 

 

前置きが長くなりましたね

 

皆さんは いつ私がラッキーの予告通り「正義や主義などのルールを使わず 暴力を減らす方法を述べるのか」とお思いでしょうな。

 

では 皆さんを裏切りましょう アハハ

いえ 方法は後に述べますよ。 その前に…

 

私共は 盾を作ったのです 身を護るあの盾です。。2つ。 未完成と完成品です。 

アハハ ざわめき が さざ波の静けさですなぁ…フム

 

簡単に申せば、如何なる暴力からもあらゆる手段で身を護る装置を開発致しました。

例え核ミサイルが身近に落ちても まぁ 少しの傷や捻挫くらいは有るかもしれませんが、死に至る事は無いでしょう それくらい有効な盾です。

 

おぉ 少し波立ちましたな フフ…

 

それは完成品です 当然 随時アップデートしてゆきますがね。

そして、その詳細なデータは直ぐにでも公に開示致します。

そのうち 町工場でも製造できる様になるでしょう。

 

悪用は? 出来ますが 意味をなさない と申し上げましょう。

この盾だけでは 何も始まりません

もう一つの盾が その 悪用を無意味化させる役割を果たすのです。

 

ソチラは未完成ですが 永遠に未完成かもしれませんが、既成に在るものだともいえるのです。

私の裏切りは続きますよww しかし、結論を焦らないで話を聴いて下さいね。

 

例えば、この盾を以て強盗をしようとしますな

しかし、人は襲えません 盾ですからね 相手も盾を備えています。現在のスマートホン以上の確率で。

しかし、あなたの物品は持ち去れるかもしれません。

そして、もし そんな事をすればどうなるのか

その人は 信用を失うという罰を自らに課します 要するに居場所が狭まるわけですね

それでは犯罪組織のメンバーと同じではないか という安直な疑義も出るでしょうが、

暴力が通じない世界 という事を思い起こしてください

盗んだものは だれでも取り返せますよ 脅しが役に立たないんですからね。

同時に、今後はベーシックインカムも当たり前の国家運営の最低条件になるでしょう。

だから  やむにやまれぬ盗み も  消えます。

 

この説明で 何かを想起された方々はお先にお進みください

何も想い起せない方は ファンタジー小説をお薦めしますよw

 

 

概念を進化させよう という裏切り者の提案です

既成概念を まぁ捨て去らなくても良いですが、信じ込んでいる全てを一旦平らにし、

暴力を笑い飛ばし 暴力を陳腐化し 暴力を消し去るという 人間のDNAに対する裏切りを楽しみませんか。

 

何も暴力対策だけの話しではありません

全ての裏切りを許せる余裕を持つ という事は、様々な宗派の教えに有りはするものの、未だ多くの人間が達成できないパラドックス…もしくはパンドラの箱の如き教義ですな。

 

暴力を使わず 暴力を恐れず 我が道を友と助け合い進んでゆける者には 裏切りは可笑しな事件にしかなり得ません。

 

お金? 立場? 物品? ふむふむふむ… 何一つ盗まれ続ける事はないのですよ。

心? それは盗まれる事が既に幸せな快楽でしょう。

 

 

さてさて

この 私の懺悔に始まり 裏切りに終わる本日のスピーチは如何でしたでしょうか

有り難う御座います

さざ波が 優しい拍手になって 裏切り甲斐がありましたよ。

今 戸惑っている多くの皆さんにも、この数ヶ月で きっとパラダイムシフトが起こると確信し ほくそ笑む私です。

 

 

私は 愛の無い所に生まれ 優しさの無い隙間で育ち 誰にも守られずに生きてきました。

そして、私などよりも愛され その後も大切に想われるべき多くの人々が虐殺されてきた…

いや、私の正義感が殺してきたのです。

 

皆さんの、自分の命よりも大事な存在

何よりも愛おしい我が子や家族やパートナーや恩人や教え子や友人や。。。

 

私は、全ての犠牲者を裏切って 己の正義を冷静に暴走させた挙句 最悪な事に こうして悔いているのです。

 

人間は 不完全な生き物ですが 他の動物同様に 慈しみを備えています。

なのに、

こんな理不尽が 何千年も繰り返されています。

しかし、人間もまだ 進化の途中だと考えます。慈しみも進化出来るのです。

後悔も また役に立つ資源になり得ると 我が身に証明したいのです。

 

連邦平和協議会 これは 偽善極まる平和協議会として 他の団体同様 世界を欺いて参りました。

 

アハハ 何も自白剤を飲まされてしまった訳ではありませんよ

 

 

この国へ来る前に 私は全て… いえ ラッキー君と共に 全てのものを手放しました。

勿論、残りの人生も。。

私には帰る場所が無いのと同様、彼がお孫さんに会う事も もう叶いません。。

まぁこんな事を言い出すと即身成仏でもしそうに聞こえるかもしれませんが、誤解しないでくださいね、死ぬのではないですよ 引きこもって楽しいお仕事に精を出すのです。

無論、悟りを開いたわけでも 自己嫌悪から逃げるわけでもなく、私の煩悩の所業としての楽しい遊びです。

 

家族も知らない  最新の裏切り という事です。

 

 

御静聴 感謝致します。

 

来る者にココアを 去る者に感謝を

 

 

 

 

 

 

 

センナイニ