696キキキキ

696クロウサが綴る 696の世界

第7 こまうぉよ

素晴らしい音楽や絵画や物語や料理は人に感動を与えますね。

便利な発明品もそう。

人々は、それらの作品を愛でてそれらの作者に感謝もするが… 批判も大好き。

 

誰かを攻撃する快感が人間には止められないのか。

 

スターや著名人を糾弾する情報は売れ続ける。

 

他人を祭り上げ叩き落すビジネスは無くならない。

 

その風潮は、無難なハズの人々の日常を蝕んでいる。薬物中毒の様に。 

 

人のふり見て我がふり忘れろ とでも言わんばかりの記事に食らいつく人間。

 

 

そんなビジネスの手法の魔手を巧みに操れば 夢も売れる。邪なカルトの様に。

 

 

 

ソウルという地名で英語のSoulを思い起こした事はありませんか。

そのSeoulは 成功を夢見る若者たちの、熱せられた油の如き「魂」に火を注ぐ環境として世界でも人気のシンガーでダンサーなアイドルを『量産』と言われるほどに輩出しています。

 

 

今夜 あるテレビ番組に出演するユエという名の歌手も 魂を燃やすうちの一人。

もちろん 集まる観客も 熱い情熱で彼ら彼女らアイドルに応援の火を注ぐペン達。

因みにペンというのはファンの意味ですから ユエのファンはユエペンですね

はい豆知識。

 

 

ヨネゲ 芸能界。

何年も何年も、様々な競争を勝ち抜いてきた。

自分の名前をアチコチで目にし聞くようになった。

当初感じていた違和感にも少し慣れた頃は「僕にこんなにも多くの味方が出来るなんて…」と、はしゃぐファンを見て 当然嬉しく思った。

けれど次第に、噂に聞いていた闇に苦しむ人々が見えてきて、 何ともいえない危機感を持った。

 

そして、その恐怖は 見事にバランスという形で現実の痛みになった。

 

味方の数だけ敵も生まれた という事。

 

それは、この世界を目指す者として予測していた筈の事だったのだけれど、まさか あんなに熱く応援してくれていた人々がこんなにも簡単に 一番恐ろしい敵 となって攻撃してくるなんて予想出来なかった。。

「こういう事か」と つい呟いた、何も理解は出来てないのに。

作られた魅力 作られた憎悪

 

スタジオ前で手を振ってくれると思っていた人々から、突如 罵声が飛んできた時にはまるで何の事か分からず呆然とした。

 

楽屋に入って、ニュースを聞いた。

全く身に覚えのないスキャンダル。

「何の事だよ⁈ なぜ事務所は即座に否定してくれないんだ?! 仲間だろ!デマを打ち消して守ってくれるんじゃないのか?」。。。

マネージャーもよそよそしく目を合わせない。

『話題になればビジネスのネタにもなるだろ』という上の声も聞いた。

 

 

ずっと、

応援してくれる人々に感謝していた

周りのスタッフの皆さんを当たり前に仕事仲間だと思っていた。

 

それは 笑えるほど勝手で幼稚な浅はかさだったが、身内からの疑いほどやり切れなく虚しい寂しさはない。

いや、そんな情緒的な話しでもなく、やはり、僕は単なる商材・商品なのだと自覚すべきなのだろうか。

 

信頼なんて 信頼なんて 信頼なんて 信頼って… 

 

 

 

いや

 

ちがう

 

覚悟を忘れているぞ。。 

稚拙な感謝だったけれど、誓った事があったじゃないか。

必死にもがく僕の背中をおしてくれた人達が 確かに居たんだった。

 

 

 

僕が初めて戴いたファンレターは天国から届いたものだった。

余命わずかな身で贈ってくれた手紙

僕を観る事が楽しみだと伝えてくれた。

 

だから

僕も 楽しみ続けよう と誓った。

 

返事を送ったが

間に合わなかった。

 

 

疑われた 利用された なんていうのは僕の被害妄想だ 腐った弱気だ。

 

心が 誓いを忘れていたんだ

心の・思いの・生き方の・感じ方の、バランスを欠いていた   

信頼は求めるものじゃないのに…

 

感謝を忘れていた。

 

 

薄暗いスタジオの通路を抜けて、前室の共演者の輪に戻り、静かに佇んだ。

覚悟と 誓いで 心を満たす様に。

 

 

 

思い出した、

ユエという僕の名前には、心がけ という意味がある事も。

心がけを忘れなければ、きっと楽しめる 試練さえ。

 

 

『全ての人が一つの星。誰かの放つ光で照らされ、いつか誰かを照らす存在になる。それが、人間という生きものなのだろうと思います。

ユエ、わたしはあなたの光に照らされたのです。有り難う 頑張ってね 応援してます』

 

あの 温かい手紙に救われたんだ。

 

ソルルという名の女の子

星になった女の子

 

雪の囲み という意味を持つこの名前。

その言葉は、

Seoulの街の名の由来だともいわれている。

 

雪の寒さを遮る 雪の囲いの温もり。。

 

 

 

 

 

 

 

 

かむさぁ